コンダオ島の英雄的な歴史とエコツーリズム体験

心を癒やす島へのエスケープはいかがですか? ビーチを歩き、サンゴ礁を眺め、森を散策し、山頂に立つような旅。歴史的にも重要で、大小さまざまな生きものたちの楽園であるコンダオ諸島(Con Dao)は、次の旅行先の候補にぴったりです。

2022年、雑誌『トラベル+レジャー(Travel + Leisure)』の「東南アジアのベスト島10選」にコンダオ諸島が選出されました。英雄的な歴史と豊かな生物多様性を併せ持つこの島は、歴史と自然を愛する旅行者の行きたい場所リストの常連です。ブンタウ(Vung Tau)の沖合に浮かぶ16の島々からなるコンダオ諸島の大部分は、保護された生物多様性の宝庫です。生い茂る熱帯雨林、鮮やかなサンゴ礁、絶滅危惧種のウミガメや渡り鳥の保護区などを思い浮かべてみてください。かつてインドシナ時代最大の流刑地であったという歴史から、コンダオには暗い過去もあります。しかし現在では、エコツーリズムと長年にわたる巡礼の地としての重要性により、明るい未来へと歩みを進めています。

諸島最大の島であるコンソン島(Con Son)は、かつてさまざまな名前で呼ばれていました。1292年にイタリアの著名な探検家マルコ・ポーロはソンドゥール(Sondur)やコンドゥール(Condur)と呼び、フランス植民地時代にはグラン・コンドール(Grande-Condore)と呼ばれていました。魅力あふれる町にはフランス植民地時代の建築様式が残り、美しいビーチフロントの遊歩道と素晴らしい海の景色が広がっています。 

コンソン島からは、ボートに乗ればコンダオの他の島々へ簡単にアクセスできます。ベトナム有数の美しいサンゴ礁を探索するなら、タイ島(Tai Islet)、バイカイン島(Bay Canh Islet)、カウ島(Cau Islet)へのシュノーケリングツアーがおすすめです。ウミガメの繁殖期には、ベトナムのウミガメ保護活動の現場を見ようと、多くの観光客がバイカイン島を訪れます。

コンダオ散策

第01章 —

コンダオの素晴らしい自然

コンダオは、日常のストレスから解放されるジャングルの楽園です。諸島の大部分がコンダオ国立公園に指定されており、6,000ヘクタールの熱帯雨林と14,000ヘクタールの海域が広がっています。心地よい木陰が広がる森を抜けて山頂までハイキングすれば、雄大な海岸の絶壁と、誰もが思い描くあらゆるグラデーションの青い海を見渡せます。頭上を見上げるのもお忘れなく。5月から9月にかけて、何千羽もの鳥がここへ飛来します。ベトナムの他の場所では見られない野鳥として、アカハシネッタイチョウ、アオツラカツオドリ、ニコバルバトなどが生息しています。その他、コンダオクロオオリスやコンダオカニクイザルなどの固有種も暮らしています。

国立公園の海洋生態系にはマングローブ林、サンゴ礁、無人のビーチがあり、探索を楽しめます。キラキラと輝く海域に棲む数多くの海洋生物を守るため、ここでは海洋保護活動が極めて重視されています。クジラ、イルカ、ウミガメのほか、ベトナムで稀少なジュゴンに出会えるのは唯一この海域だけです。 

ジュゴンと同様に、ウミガメも深刻な絶滅の危機に瀕しています。だからこそ、孵化したばかりの子ガメが海へと這っていく姿は見る者の心を強く揺さぶるのです。生存率はわずか1000分の1とされるため、赤ちゃんガメが旅立ちを迎える姿を見ることは大きな希望に満ちています。ベトナムのウミガメの約90%が毎年卵を産むためにコンダオに戻ってきます。これらには、絶滅危惧種のアオウミガメやタイマイが含まれます。繁殖期(4月〜10月)には、訪問者はこの自然の奇跡を観察できるだけでなく、生まれたばかりの小さな子ガメを海へ放流する手助けをすることもできます。広大な青い海へと勇敢に踏み出す子ガメたちに幸運(と長寿)を祈りましょう。コンダオのウミガメ保護プログラムのおかげで、これまでに15万匹以上の子ガメが救出されて海へ放流され、孵化率は87%に達しています。

コンダオ散策

第02章 —

コンダオのビーチ

「ビタミンSEA(海の癒やし)」が恋しいですか? コンダオには数多くのビーチがあります… 

ローヴォイ・ビーチ(Lo Voi beach)は、コンソン島の遊歩道の北東に位置しています。中心部にありながら混雑することはめったにありません。「ローヴォイ」とは「石灰窯」を意味します。この名称は1864年に建設された窯で、囚人たちがサンゴを潜って採取し、焼いて石灰を作らせていた時代に由来します。 

町の南西にはアンハイ・ビーチ(An Hai Beach)があり、周囲の山々が風を防ぐため波が穏やかです。ポプラの木々が涼しい木陰を作り、強い日差しを遮ってくれます。早朝には、水揚げを終えた漁師たちで桟橋が賑わい、絶好の撮影スポットとなります。 

さらに北に進むと、空港の近くにダムチャウ・ビーチ(Dam Trau Beach)があります。頭上を通過する飛行機を眺めるのはとても楽しく、米国の雑誌『トラベル+レジャー』によって「世界のベストビーチ25選」の一つに選ばれました。 

国立公園内にあるダムチェ湾(Dam Tre Bay)は、断崖に囲まれた透明度の高いアクアマリン色の海が広がる、もう一つの手つかずの湾です。ハイキングまたはスピードボートで訪れることができます。海水浴に最適な湾ですが、潮の満ち引きや流速にはご注意ください。一泊して星空観察を楽しみたい場合は、レンジャー・ステーションで簡易宿泊施設を利用できます。 

コンダオ散策

第03章 —

コンダオの歴史的スポット

100年以上にわたり流刑地であったコンダオ島は、戦争の凄惨さを物語る場所です。「地上地獄」とも呼ばれたこの地で、囚人たちは極めて過酷な環境に置かれていました。2,000点以上の写真や遺物が展示されているコンダオ博物館では、島の数世紀にわたる歴史について詳しく学ぶことができます。かつての刑務所跡を訪れると、誰もが粛然とした気持ちになるでしょう。マネキンはフランス植民地時代および対米抗戦(ベトナム戦争)期における兵士たちの扱われ方を再現しており、「虎の檻」は非人道的な独房監禁の情景を物語っています。ここでは、著名なベトナムの抗戦闘士たちについても学ぶことができます。

コンダオ島探索

第04章 —

コンダオ島の聖地

複雑な歴史を持つコンダオ島が、精神的にも重要な意味を持つ場所であるのは不思議ではありません。多くのベトナム人が、1,900以上の墓があるハンズオン霊園を訪れ、命を落とした殉教者たちに哀悼の意を捧げています。最も有名なのは、19歳でフランス軍によって殺害された活動家、ヴォー・ティ・サウの墓です。 

その他の聖地としては、ヴァンソン寺やアンソン廟などが挙げられます。アンソン廟は、聖人として語り継がれる伝説の女性、イエン妃を祀るために建てられました。旧暦10月18日には、彼女の廟で式典が執り行われます。ヴァンソン寺は1960年代に刑務所職員の礼拝のために建立されました。200余りの階段を上ると、頂上から素晴らしい景色を一望できます。