水上人形劇を楽しむのに、子供である必要はありません。ベトナムの水上人形劇は地元の文化を知る窓口であり、老若男女問わず楽しめる完成された芸術形式です。絶えず変化する舞台で繰り広げられる農村生活の場面を観賞し、祭りや伝統について学び、ベトナム人の個性にインスピレーションを得たユニークなキャラクターたちと出会いましょう。ここでは、素晴らしいベトナムの水上人形劇について簡単に紹介します。
第01章 —
歴史の概要
毎年、米の収穫期になると、ベトナムの紅河(ホンハ)デルタ地域の農民たちは村の祭りに集まり、民謡を歌い、踊りを披露していました。約1000年前、これらの祭りの演目に水上人形劇が加わりました。最初の公演は、水を張って水上の舞台を作ることができる収穫後の水田で行われました。
民俗芸術としての水上人形劇は、一般の人々のための娯楽から、王族のための公演へと発展しました。12世紀の李朝の治世下では、国内最高峰の水上人形劇団が選ばれて国王や賓客をもてなし、この芸術の社会的地位は新たな高みに達しました。何世紀も経た現在でも、水上人形劇(múa rối nước)は観客を魅了し続け、ベトナムの大切な無形文化遺産となっています。
第02章 —
舞台の仕掛け
Múa rối nước(水上人形劇)は体力を要する職人技です。人形使いは公演中ずっと水の中に立ち、水の動きを利用してドラマを生み出し、幻想的な仕掛けを完成させ、物語を紡ぎます。人形使いの秘密は、人形自体の素材にあります。浮力のあるイチジクの木で作られ、漆で塗られています。人形使いは竹の棒と糸を使って、人形の腕を見事に操ります。一人前の水上人形使いになるには何十年もの歳月がかかります。
現在のベトナムでは、水上人形劇は浸水した水田ではなく専用のプールで行われます。これらのプールは、ベトナムの集会場(ディン)の内部にある祭壇を模して、赤の大屋根、旗、日傘で飾られています。舞台の両脇には楽団が座り、歌声と伝統楽器を使って物語に命を吹き込みます。
第03章 —
水上人形劇の演目
伝統的な公演は、お笑い担当の司会者であるテウ(Tễu)の紹介から始まります。テウは象徴的なキャラクターであり、舞台上で展開されるさまざまな場面や物語へと観客をいざなう風変わりな語り部です。鮮やかな色合いの人形たちは、アヒル飼い、釣り、田植え、舟漕ぎ、王家のパレードなど、ベトナム北部の村々の日常風景を再現します。演目によっては、道徳的な訓戒が込められたベトナムの民話を題材にしたものもあります。
第04章 —
鑑賞できる場所
ベトナムの水上人形劇についてより深く理解するには、ハノイ郊外のダオトゥック村(Đào Thục)を訪れてみてください。ここにはベトナムで数少ない水上人形の制作工房が残っており、人形作りについて学ぶことができます。美しい屋外舞台では、村の300年の伝統にふさわしい素晴らしい公演が催されています。
都市部には、伝統的および現代的な公演を行う水上人形劇場がいくつかあります。以下は、ベトナム各地で公演を楽しむことができるおすすめのスポットです:
タンロン水上人形劇場
57B Đinh Tiên Hoàng St., Hoàn Kiếm District, Ha Noi
ベトナム人形劇場
361 Trường Chinh St., Thanh Xuân District, Ha Noi
ホイアン劇場
548 Hai Bà Trưng St., Hội An
フエ水上人形劇場
8 Lê Lợi St., Vĩnh Ninh District, Huế
ゴールデン・ドラゴン水上人形劇場
55B Nguyễn Thị Minh Khai St., District 1, HCMC
ベトナム歴史博物館(屋外舞台)
2 Nguyễn Bỉnh Khiêm St., District 1, HCMC




