旅行者がベトナムで社会貢献できる機会は数多くありますが、ハノイのKOTO Villaでは、人々の人生を変える特別で貴重な体験ができます。KOTOの職業訓練プログラムは、生活困窮者やリスクを抱えたベトナムの若者を受け入れ、ホスピタリティや飲食業界(F&B)で活躍できるキャリアを身につけさせるために設立されました。この素晴らしい社会的企業の詳細と、支援方法についてぜひお読みください。
第01章 —
KOTOのミッション
KOTO(「1つを学び、1つを教える(Know One, Teach One)」の略)は、1999年に旧市街のささやかなバインミー屋台から始まりました。当時の目的は、恵まれない環境にあるストリートチルドレンが安定した仕事に就くための基本的なスキルを提供することでした。やがて活動範囲が広がり、自前の訓練センターとハノイの文廟近くの大きなレストランを設立。研修生たちはプロ仕様の厨房で実践的な研修を受けながら、首都を訪れる観光客に心のこもった料理を提供できるようになりました。
KOTOの研修生は、ベトナム全土の貧困地域や困難な環境にあるコミュニティからやってきます。多くは孤児であったり、ベトナムの少数民族の出身です。中には暴力や虐待、人身売買の被害者もいます。KOTO財団は毎年200名の新しい研修生をプログラムに受け入れています。各研修生には、ホスピタリティや調理の職業訓練、ライフスキルや英語の教育、医療サポート、住居や食事が提供され、卒業後のインターンシップや就職支援も行われます。そして最も重要なのは、将来のキャリアに向かって自立して進んでいけるよう、安全な労働環境が与えられることです。
第02章 —
KOTO Villa Hanoiでのダイニング
2020年、社会的企業であるKOTOは拠点をタイホー(西湖)地区に移し、中庭のある優雅なコロニアル様式のヴィラへと移転しました。熱帯の木の木陰には、心地よいソファとロートアイアン(鍛鉄)のテーブルが置かれ、お食事のお客様をお迎えします。ヴィラの館内では、涼しげなテラコッタタイルの床の上にテーブルが配置され、近くの池や緑豊かな景色を眺めることができます。毎日20名の研修生が交代制で厨房やホールで働き、現場で実践的なスキルを磨いています。

レストランでは充実したブランチメニューを提供しており、週末にはミモザやブラッディ・マリーもお楽しみいただけます。ランチタイムにはバラエティ豊かなサンドイッチやパニーニから選ぶことができ、ディナータイムには魅惑的な前菜、西洋風のメインディッシュ、心惹かれるデザートを召し上がっていただけます。ハッピーアワーもKOTO Villaを訪れるのに絶好の時間です。屋外で爽やかなカクテルを傾けながら、エビ、シャロット、バイロット(ベテルリーフ)を包んだ「Leaf Lilies」や、豚肉、キノコ、ハーブをのせたカリッとした米粉ケーキのバインコット(bánh khọt)などのベトナム小皿料理をご賞味ください。
ヒント:タイホー地区まで足を運ぶのが難しい場合は、旧市街にあるスタイリッシュなブティック「Tan My Design」内にあるKOTO Cafeにお立ち寄りいただくことでも、KOTOの活動を支援できます。
第03章 —
成功の実り
KOTOは2002年に第1期卒業生を送り出しました。ほどなくしてKOTOの卒業生はベトナム全土のトップレストランやホテルから引っ張りだことなりました。自身のカフェやレストランを開業した卒業生もいれば、指導員やスーパーバイザーとして財団に戻り後進を助ける卒業生もいます。ある卒業生は「Taste of Australia」料理コンテストで優勝し、また別の卒業生はベトナム・ナショナル・バリスタ・チャンピオンシップで優勝を果たすなど、団体の指導員や支援者に誇りをもたらしています。
20年以上にわたり、KOTOは100万人以上のお客様に食事を提供し、1,000人以上の研修生を卒業させてきました。すべての卒業生は、オーストラリアのボックスヒル・インスティテュート(Box Hill Institute)から国際的に認知された修了証を授与され、世界中のどこでも就職活動に活かすことができます。ベトナムに留まり、さらにスキルを磨くことを選ぶ人も少なくありません。今日でもKOTOは旅行者に美味しい料理を提供し続けています。研修生たちが調理し提供する一皿一皿には、より良い未来への希望が込められています。




